「木版画 昭和職業絵尽」
和田三造と西宮の版元、品川清臣によって世に出されたこの版画は、戦中に第1集と第2集、各24枚(計48枚)が出版され、戦時下で中断するものの戦後に続編として24枚が世に出されました。
この版画集の出版は、明治に入って衰退の一途をたどる日本の木版画の将来を憂う品川が、昭和の社会風俗を描き残そうとしていた和田と出会い実現しました。
品川によって、当時、腕をふるう場を失くしていた一級の摺り師、彫り師など、木版にかかわる職人たちが全国から集められ、各々がその技術を駆使して制作したと伝えられています。多くの版画が100度を超える摺りを重ねており、筆のカスレなど、あたかも肉筆画のように見えます。


和田三造 略歴
明治16年(1883年)~昭和42年(1967年)
兵庫県朝来市生野町に生まれる。明治34年に東京美術学校に入学、明治41年には「南風」が第1回文展で最高賞を受賞し、当時の画壇で注目される。
明治42年には美術留学生としてヨーロッパへ渡り、昭和25年には芸術院会員となり、文化功労者の表彰を受ける。


