TANYO DISCLOSURE 2024金融仲介機能のベンチマークに関する開示

金融仲介機能のベンチマークに関する開示

 当金庫は、中小企業のライフステージに応じた経営支援や事業性評価に基づく融資等を行っております。これらの取組みについてより理解を深めていただくために、「金融仲介機能のベンチマーク」を用いて、当金庫の金融仲介の取組みを具体的に開示いたします。

中小企業のライフステージに応じた各種事業支援

各ライフステージの名称(創業期・成長期・安定期・低迷期・再生期)は、
金融庁「金融仲介機能のベンチマーク」によるものです。

中小企業のライフステージに応じた各種事業支援

1.中小企業の経営支援全般に関するベンチマーク

①お取引先事業所のライフステージ別の与信先数及び融資残高

お取引先事業所のライフステージ別の与信先数及び融資残高
  1. 全与信先の過去5期の売上高により、ライフステージを区分しています。
    創業期…創業、第二創業から5年までの先成長期…売上高平均で直近2期が過去5期の120%超の先安定期…売上高平均で直近2期が過去5期の120%〜80%の先低迷期…売上高平均で直近2期が過去5期の80%未満の先再生期…貸付条件の変更または延滞がある先
  2. 融資額は事業年度末の残高
  3. 直近5期の売上高が連続して入手できない等の先(主として個人事業者)は、「安定期」に区分しました。(2016年3月期:939先 72億円、2017年3月期:937先 48億円、2018年3月期:900先 45億円、2019年3月期:775先 36億円、2020年3月期:665先 31億円、2021年3月期:530先 33億円、2022年3月期:448先25億円、2023年3月期:486先26億円、2024年3月期:515先29億円)

②当金庫がメインバンクとなっているお取引先事業所数及び同先への融資残高と、メイン先のうち経営指標等の改善が見られたお取引先事業所数及び同先への融資残高

2021年度 2022年度 2023年度
経営指標等が改善した先(2024年3月期:2,170先)に係る3年間の事業年度末の融資残高の推移 791億円 824億円 885億円
  1. メイン先数は、事業年度末における与信先企業(グループ含む)への融資残高1位となっている先数を計上しています。
  2. 「経営指標等が改善した先」の定義を、次の3指標のうちいずれか1指標以上改善した先または、従業員数が増加した先とし、要管理先以下は対象外としました。
    1. 売上増加率 =(最新期売上高/前期売上高)-1 …(2期連続プラスまたは 5%以上の増加)
    2. 労働生産性 = 営業利益/従業員数
    3. 自己資本比率 = 純資産/負債・純資産合計
  3. 上記先数については、お取引先の資本関係等により同一グループと認められる場合は、グループ内に複数先該当がある場合にも1先としています。

2.創業期・新事業支援に関するベンチマーク等

①当金庫が関与した創業、第二創業の件数

(※1)「第二創業」の定義は以下の通り

  • 既に事業を営んでいる企業の後継者等が新規事業を開始すること
  • 既存の事業を譲渡(承継)した経営者等が新規事業を開始すること
  • 抜本的な事業再生によって企業が業種を変えて再建すること

【参考】創業・第二創業融資実績

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
創業・第二創業融資実績 件数 61件 107件 102件 78件 75件 106件 128件 141件
金額 492百万円 848百万円 1,718百万円 723百万円 1,150百万円 1,015百万円 1,456百万円 3,144百万円

創業支援のうち医療・福祉事業については、専担者を配置し、開業支援等に取り組んでいます。

3.再生期、経営改善に関するベンチマーク等

①当金庫が貸出条件の変更を行っている取引先の経営改善計画の進捗状況

(単位:先)

2022年度   正常化 完済 上位へランクアップ 下位からランクアップ 下位にランクダウン 上位からランクダウン 新規条件変更   2023年度
好調先 10 △2 - 7 △5 1 11
順調先 38 △2 △3 △4 8 △6 4 7 42
不調先 169 △2 △16 △11 - 7 48 195
217 △4 △21 △15 15 △11 11 56 248

創業支援のうち医療・福祉事業については、専担者を配置し、開業支援等に取り組んでいます。

【参考】経営改善支援等の取組み状況(2023年4月~2024年3月)

(単位:先、%)

期初債務者数 経営改善支援取組み率 ランクアップ率 再生計画策定率
うち経営改善支援取組み先数 αのうち期末に債務者区分がランクアップした先数 αのうち期末に債務者区分が変化しなかった先数 αのうち再生計画を策定した先数
A α β γ δ α/A β/α δ/α
正常先 4,926 2 - 1 0.0 50.0
要注意先 うちその他要注意先 609 74 3 71 49 12.1 4.0 66.2
うち要管理先 16 - - - - - - -
破綻懸念先 68 11 0 9 7 16.1 0.0 63.6
実質破綻先 67 - - - - - - -
破綻先 5 - - - - - - -
合 計 小 計
(②~⑥の計)
765 85 3 80 56 11.1 3.5 65.8
5,691 87 3 80 57 1.5 3.4 65.5

期初債務者数及び債務者区分は2023年4月当初時点です。

4.経営者保証に関するガイドラインへの取組みに関するベンチマーク等

 当金庫では、「経営者保証に関するガイドライン」及び「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」の趣旨や内容を十分に踏まえ、お取引先事業所からお借入れや保証債務整理の相談を受けた際に真摯に対応するため、「経営者保証に関する取組方針」を策定しています。同取組方針に基づき、経営者保証の必要性については、お取引先事業所との丁寧な対話により、法人と経営者の関係性や財務状況等を把握し、同ガイドライン等の記載内容を踏まえて十分に検討するなど、適切な対応に努めています。

「経営者保証に関する取組方針」は当金庫ホームページの「方針・指針」に掲載しています。

①経営者保証に関するガイドラインの活用先数及び全与信先数に占める割合

保証協会利用、手形割引を含みます。

【参考】(単位:件)

2016年度2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度2023年度
新規に無保証で融資した件数8279361,0171,3623,1351,7681,8562,402
新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合12.87%14.50%14.79%21.30%49.96%44.91%46.48%49.93%
保証契約を変更・解除した件数1990981001091056389
経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務整理の成立件数(当金庫をメイン金融機関として実施したものに限る)--------

5.不動産担保・個人保証に依存しない融資、本業支援等への取組みについてのベンチマーク

 当金庫では、お取引先事業所の事業の実態把握と、それに基づく最適な課題解決支援・融資によって、お取引先事業所の事業の発展をサポートすることが、地域経済の下支えや活性化につながるという考え方のもと、事業性評価への取組みを徹底しています。
 具体的には、当金庫の「課題解決型経営支援体制(P8掲載)」に示すようにお取引先事業所の「知的資産経営報告書」の作成支援の過程や、当金庫独自の「課題把握シート」の作成により、お取引先事業所と「『強み』の再構築」「経営課題の抽出」を共有し、金庫内外のサポート資源を駆使してお取引先事業所の事業の継続・発展を支援するものです。

①地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)

「無担保融資先」=「地元中小与信先数-担保設定がある先数」で算出。(例) 2023年度 5,743-1,711=4,032社

②地元の中小企業与信先のうち、無保証のメイン取引先の割合(先数単体ベース)

2020年度、2021年度において無保証のメイン先様が減少しているのは、2020年5月に創設された全国共通の「新型コロナ感染症対応資金」(保証料ゼロ、3年間無利子、兵庫県信用保証協会保証付)を多くのメイン先様にご利用いただいたことによるものです。

信用保証協会を含む一切の保証を取得していない先

③当金庫が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額及び、
全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

当金庫では、「事業性評価を行っている先」について、以下の通り定義しました。
・当金庫独自の「課題把握シート」を作成している取引先 ・当金庫が「知的資産経営」を支援している先 ・当金庫が「ひょうご中小企業技術・経営力評価制度」の活用を支援した先

④本業(企業価値の向上)支援先数及び全お取引先事業所数に占める割合、本業支援先のうち経営改善が見られた先数(社)

  • 本業支援先数②(社)
  • 本業支援先のうち、経営改善が見られた先数(社)
  • ②/①(%)
  1. 「全取引先数①」は、全与信先数(2016年3月3,763先、2017年3月3,871先、2018年3月4,262先、2019年3月4,523先、2020年3月4,636先、2021年3月5,363先、2022年3月5,558先、2023年3月5,724先、2024年3月5,743先)をグループベースで算出した数
  2. 「本業支援」とは以下の通り
    ・企業の売上向上や製品開発等企業価値向上に資する支援(ワクワク系実践講座受講先、バンバン売れるセミナー実践講座受講先、知的資産経営報告書・経営デザインシート作成支援先、ひょうご中小企業経営力・技術評価制度活用支援先、ビジネスマッチング等販路開拓支援先、外部専門家活用支援先、ミイダス利用先、他)
    ・経営計画策定支援先は含めていません。
    ・貸付条件の変更先への支援は含めていません。

⑤メイン取引先のうち、経営改善提案を行っている先の割合

  1. メイン取引先はグループベースでカウントしています。
  2. 「経営改善支援」は、以下の通り
    ・上記④の「本業支援」先 ・経営計画策定支援先(資産・事業売却、債務圧縮等含む)
    ・事業計画策定先 ・創業支援先 ・M&A・事業承継支援先 ・補助金申請支援先 ・人材紹介支援先
  3. 貸付条件の変更先への支援は含めていません。

⑥本業支援に関連する中小企業支援策(知的資産経営、補助金、販路開拓等)の活用を支援した先数(社)、うち外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数(社)

  1. 外部専門家(各種支援機関と各種士業としています)を活用して本業支援を行った取引先数は 与信見込先を含みます。
  2. 外部専門家の活用については、事業年度ごとに紹介または独自に活用した先をカウントしてい ます。
  3. 本業支援に関する中小企業支援策の活用を支援した先数には、貸付条件の変更先への支援は 含めていません。

6.当金庫独自のベンチマーク

 当金庫は「知的資産経営」支援をはじめ、お取引先の本業を支援する独自の取組みを行っています。

①「知的資産経営」支援先数の推移(累計)

2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「知的資産経営支援セミナー」「経営デザインシート作成支援セミナー」の開催を見合わせました。2021・2022年度は「知的資産経営支援セミナー」をオンラインにて開催、「経営デザインシート作成支援セミナー」は感染防止策を講じた上で、加古川・姫路・神崎・朝来の4会場で開催しました。

②「知的資産経営」支援企業のうち、
コンサルティング支援に発展した事業所数

 知的資産経営のお手伝いをきっかけに、当金庫自身がお取引先事業所の事業の強み、課題等を共有する間柄へと深化できるようになり、補助金・助成金申請支援や販路開拓支援など、お取引先事業所の本業に関わるご相談をいただける機会が増えつつあります。

各種支援内容 2009~2023年度
事業計画策定支援108社
補助金・助成金申請支援93社
 うち補助金・助成金採択67社
販路拡大支援(商談会・ビジネスフェア等)71社
シーズを基にした販路開拓172社
川上・川下ビジネスネットワーク活用36社
専門家派遣支援140社
当金庫開催の事業承継セミナーへの参加56社
当金庫開催の「バンバン!!売れるセミナー」への参加92社
ワクワク系マーケティングセミナーへの参加123社
創業・新事業支援17社
人材マッチングサービス会社への紹介先数52社
「ひょうご中小企業技術・経営力評価制度」の活用17社
その他(ホームページ開設支援他)78社

③認定支援機関としての「各種補助金申請支援」の実績

 取組開始から2024年3月末までに705件の申請支援に取り組み、うち320件(補助金合計額54億円)が採択されました。

補助金の種類 累計採択件数
ものづくり・商業・サービス補助金185件
創業関連補助金18件
新商品・新サービスの開発支援事業補助金1件
小規模事業者活性化補助金4件
事業再構築補助金112件
合 計320件

お問い合わせ

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