大西洋に面したフランス西部の港町ラ・ロシェルに生まれたブグローは、若くしてパリに出てエコール・デ・ボザール(国立美術学校)に学び、ローマ賞をはじめとして数々の受賞によって注目を浴びました。作品には宗教や神話に題材を得た構想画や肖像画が多く、そこにはダヴィッドやアングルに代表される新古典主義の影響が感じられます。また官能的な裸婦や本作に見られるような愁いを帯びた女性像や可憐な少女を描いた作品も多く、そこではブグロー独自の絵画世界を伺うことができます。 生前のブグローはエコール・デ・ボザールの教授を務め、またアカデミーの会員として当時のフランス画壇を牽引者として名声を博しました。ただ、その後に台頭した印象派をはじめとするさまざまな絵画の革新運動の勃興とともにその存在は忘れ去られ、再び注目されたのは20世紀末のことになります。1984年にはパリのプティ・パレ美術館で回顧展が開かれるなど、現在では19世紀におけるフランスを代表する画家の一人として高い評価を得ています。
2019年8月のギャラリー
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